尾崎翠「第七官界彷徨」 6/26読書感想

以前お借りした「ちくま日本文学全集 尾崎翠」。
もうこれは、この本を貸してもらったことに本当に感謝です!!
貸していただくときに「これはこれの前の話なのでこれを読む前に、こっちを先に読むといいデス。」
と収録作品の順番がテレコになってるヤツがあると注意されたのですが、
どれをさきによんで、どれをあとに読めばいいのか失念してしまったので
なんとなく「第七官界彷徨」のことをなんか言ってたな。というのが頭の片隅に残ってて、
とりあえず「第七官界彷徨」を後回しに読むことにしました。
まあ、そんなことどうでもよいようなことなのですが、どうでもよいことではなかったのです。
尾崎翠は大正から昭和初期の作家なのですけど、
まったくそんなことを感じさせない、やわらかい文章でそこはかと感じる作者のユーモア。
「山村氏の鼻」のラストの一文は衝撃でした。
そして、「第七官界彷徨」。
この堅苦しいタイトル。しかしてその内容のやわらかさたるや!!
「七つめの感覚である第七官―人間の五官と第六感を超えた感覚に響くような詩を書きたいと願う、赤いちぢれ毛の少女・町子。分裂心理や蘚の恋愛を研究する一風変わった兄弟と従兄、そして町子が陥る恋の行方は?読む者にいまだ新鮮な感覚を呼び起こさせる、忘れられた作家・尾崎翠再発見の契機となった傑作。」アマゾンより抜粋
主人公の小野町子、兄の一助(!)二助(!!)、従兄弟の佐田三五郎(なんて読むのかわからん!!)
がひとつ屋根の下に住み、その日常を描く物語。
一助は分裂心理病院に勤めていて、なんでも分裂心理にあてはめてしまいます。
二助は植物学かなんかの学生で、苔の恋愛を研究しています。
佐田三五郎は音楽学校を目指す予備校生ですが、何かとそれらしい言い訳を言っては勉強しようとしません。
町子はなんだかおとなしいような、ボーっとしたような感じでわが道を行っている感じを受けます。
なんかこの小説、すごくキャラがたってるのです。
内容もなんか変なのです。突然、コミックオペラをみんなで歌いだしたり
みんな町子のことを「女の子」とよんだり、町子は頭にネクタイを巻いたり
会話がすぐに横道にそれたり。
でも変なのですけど、シュールとかそんなのじゃなくって、
なんというかいびつな作品じゃなくて、しっかりしてるのです。
ずっと読み続けたい作品でした。こんなコトはじめてです。
マイふぇいばりっと小説ですね。
今、手元にあるのは借り物なので

ずっと手元においておきたい作品となったので
自分でも買おうと思います。

これはもう、たくさんの方に読んでいただきたい作品です!!
ほんとおもしろかった。
あと、読んでて従兄弟の佐田三五郎が「ハチミツとクローバー」の森田を連想されたので、
町子もかわいいし、ぜひ羽海野チカに漫画化してもらって、読んでみたい。

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